食道外科
個別化されたMinimally Invasive Esophagectomy
国立がん研究センター中央病院食道外科では、食道がん治療において、より効果的で低侵襲な治療法の開発に取り組んでいます。胸腔鏡下食道切除術を基本術式として、2018年よりロボット食道切除再建術を積極的に導入してきました。耐開胸性を有しない場合には縦隔鏡下食道切除再建術(非開胸)や2期分割手術を行っています。これらの技術を活用することで、患者様の負担を軽減し、より良い治療結果を得られることを目指しています。
ロボットと縦隔鏡シェーマ
ロボットシェーマ2
縦隔鏡画像
診療実績
食道がんに対する治療は、切除不能を含めた全てのStageに対して手術を中心とした集学的治療が標準的に行われ、手術の役割が益々大きくなってきています。高度進行食道がんも根治を目指します。(2022年:Stage I 35件、Stage II 43件、Stage III 72件、Stage IV 30件)
2022年は180件の胸部食道がん手術を行っており、なかでもロボット手術件数は82件(2022年 全体の46%)と最多を占めており、症例数は増加傾向です。術後の回復も早く、平均入院日数は15日であり、QOLの向上と早期の社会復帰を可能とします。
術後経過について
術後経過のイメージ動画「手術から退院までの経過」(YouTubeにリンクします。)
- 手術当日
術後は集中治療室(ICU)入室 - 術後1日目
気管支鏡、離床、歩行練習 - 術後3日目から5日目
一般病棟へ、尿管抜去、頸部や胸部ドレーン抜去 - 術後6日目から8日目
バリウム検査(レントゲン室)問題なければ飲水・食事開始 - 術後14日目前後
退院(ただし、放射線治療歴のある方は、食事開始は遅れる場合があります。)
手術後に出来るだけ早く元の生活に戻ることができるようするために、筋力維持を目的とした積極的なリハビリ、感染への予防対策、栄養管理、退院後の生活指導など多岐にわたる支援と介入を行っており、チーム一丸となって退院後も見据えた術後管理を行っています