小児がんへのゲノム医療の実装に向けて―国立がん研究センター中央病院小児腫瘍科の取り組み

小川千登世
2023/12/15
がん遺伝子パネル検査が行われるようになり、小児がんの患者さんでも効果がある可能性のある薬の候補が調べられるようになりました。特に、NTRKやALKなどの融合遺伝子をもつがんでは、これらに対する阻害剤を使うことでがんの縮小や画像上での消失がみられることもあります。私たちは小児がんの特徴に合わせた治療を行うために、国際共同試験への参加などで新しい薬の治験や臨床試験を実施したり、新規に治験を計画したりすることで、必要な薬を必要な患者さんに届けることを目指しています。