頭頸部がん:早期がんへのロボットを用いた低侵襲手術から希少癌や再発症例への拡大切除への取り組み
小村 豪
2023/12/1
癌を治すと同時に患者様の負担を減らすため、早期癌に対する低侵襲手術を積極的におこなっています。具体的な方法として、内視鏡切除(TOVS= Transoral Videolaryngoscopic surgery)の他、最近ではロボットを用いた経口的ロボット支援手術(TORS= Transoral robotic surgery)を行なっています。手術支援ロボットの利点として、は多関節機構を持っており、精細な手術が可能であること、カメラや手術器具にブレがないため、安定した視野が確保できことなどが挙げられます。
一方で、年間450件を超える手術件数のうち1/4は遊離組織移植を伴う拡大切除を占め、初回治療例のみならず、他院では手術不能とされた患者さんへの救済手術も適応があれば行っています。また、希少な病理組織型の多い鼻副鼻腔癌については、頭蓋底手術による拡大切除に加えて、病理診断科、内科、放射線科等とのチーム連携にて集学的治療を行っています。
最近では切除不能局所病変への頭頸部アルミノックス治療も取り入れています。
Figure 1. TORS = Transoral robotic surgery
Figure 2. Radical resection combined with free flap reconstruction for advanced cancer.
Figure 3. Skull-base surgery for advanced sinonasal cancer.
Figure 4. Photoimmunotherapy