胆道癌におけるゲノム医療の発展を目指した活動
森實 千種
2023/7/15
アジア諸国で発生頻度の高い胆道癌は、難治癌で有効な薬物療法も限られていましたが、近年、治療ターゲットとなる遺伝子異常が複数報告されています。その中でも最も有望なターゲットの一つであるFGFR2融合遺伝子は、国立がん研究センター研究所で行った基礎研究により発見されました(Hepatology. 2014; 59(4): 1427-1434)。この発見を臨床に活かすべく、国立がん研究センター中央病院が中心となって日本の進行・再発胆道癌におけるFGFR2融合遺伝子陽性例の頻度と、その特徴を調査する400例超の多施設共同前向き観察研究(PRELUDE Study)を実施しました(J Gastroenterol. 2021 Mar;56(3):250-260.)。我々は胆道癌におけるFGFR2融合遺伝子についてさらにアジア諸国に拡大した国際共同研究であるCHOICE studyを開始し、研究を継続しています。