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子宮がん肉腫患者さんにおいて、トラスツズマブ デルクステカンが新たな治療選択肢となり得ることが示されました。

下井 辰徳

2023/6/1

近年、がん薬物療法の進歩は著しく、希少がん分野でも新薬の開発が進んでいます。国立がん研究センター中央病院で実施しているMASTER KEY プロジェクトは、日本を拠点とする多施設共同研究であり、前向き登録(レジストリ)研究と複数の臨床試験の2本柱で構成されています。進行性の希少がん、原発不明がん、一般的ながんの組織亜型が希少ながんを対象としています。我々は、この1つの臨床試験として、がん細胞の増殖に関連するタンパク質HER2を持っている子宮がん肉腫の患者さんに対して抗HER2抗体薬物複合体トラスツズマブ デルクステカンの有効性を評価する第II相医師主導治験のSTATICE試験を日本国内7施設で実施しました。その結果、HER2高発現の患者さんの54.5%、HER2低発現の患者さんの70%で、腫瘍の30%以上の縮小(奏効)が認められました。本試験結果は、子宮がん肉腫に対し抗HER2療法が有効である可能性を世界で初めて示したもので、米国学術雑誌「Journal of Clinical Oncology」に米国時間2023328日付で発表されました。本研究成果により、HER2タンパクの発現を有する子宮がん肉腫患者さんにおいて、トラスツズマブ デルクステカンが新たな治療選択肢となり得ることが示され、さらに大規模な臨床試験の実施が難しい希少がんでのさらなる有効な治療法の開発の加速化が期待されます。

 

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