放射線治療科
診療について
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診療内容の紹介
国立がん研究センター中央病院は、外部照射用リニアック4台とサイバーナイフ1台、MR画像誘導放射線治療装置1台、小線源治療装置・小線源治療室により放射線治療を実施しています。陽子線や重粒子線などの粒子線治療が必要な場合は実施可能な施設に紹介しています。
三次元治療原体照射
治療が必要な範囲の形に合わせた照射範囲をCTやMR画像をもとに三次元治療計画装置で作成し、正常組織への影響をなるべく少なくするように工夫した治療方法です。当院では1990年代より導入され現在では大半の治療に応用しています。
定位放射線照射
病巣に対し多方向から放射線を集中させる方法です。通常の放射線治療に比較し周囲の正常組織の線量を極力減少させることが可能です。当院では1991年に転移性脳腫瘍に対し応用開始しましたが、その後肺や肝臓などに応用範囲を拡大しています。
強度変調放射線治療(IMRT)
強度変調放射線治療とは、最新のテクノロジーを用いて照射野内の放射線の強度を変化(変調)させて照射を行なう方法です。強度変調放射線治療では、照射範囲のみでなく放射線の量をがんの形に合わせて治療することができます。当院では頭頸部腫瘍や前立腺がんで導入し、対象の拡大を進めています。
小線源治療
管、針、ワイヤ、粒状などの形状となった容器に密封された放射性同位元素を放射線源として、がんやその周囲組織に直接挿入したり埋め込んだりして治療します。放射線の集中性に優れた治療です。2009年より主に低リスクの前立腺がんを対象としてヨウ素125小線源永久挿入療法を開始し、現在は中~高リスク前立腺がんも対象に高線量率組織内照射を行っています。2~3泊の入院により治療可能です。前立腺がんで放射線治療後にPSA再発が見られた時にも、状況によっては再度放射線治療を施行することも可能です。
リンパ節転移や骨転移のある前立腺がんに対しても、状況によっては根治的放射線治療の有用性も示唆されており、当科でも患者さんと相談の上、施行しております。
その他、婦人科がんや頭頸部がんなどでも積極的に腔内照射・組織内照射を行っています。
詳細は、当放射線治療科にお問い合わせください。
アイソトープ治療
放射性同位元素を注射や内服で体内に入れ取り込ませた病巣で放射線を出させることにより治療する方法です。甲状腺がんに対するヨウ素131内用療法やホルモン療法抵抗性前立腺がんに対するラジウム223治療、神経内分泌腫瘍に対するルテチウム177治療などを放射線診断科の核医学専門医や当該疾患診療科医師と協力しながら実施しています。
陽子線治療
陽子線は体内に入っても表面近くではエネルギーを放出せず、停止する直前にエネルギーを放出して大きな線量を組織に与える性質があります。陽子線は病巣のみに効率よく線量を集中でき、副作用を少なくできます。この治療は国立がん研究センター東病院で行っており、その相談外来を行っています。
前立腺がんの放射線治療
当科では前立腺がんに対して様々な放射線治療の方法を選んで頂けます。どれも保険適用の治療方法になり、最先端の治療も提供しております。強度変調放射線治療、定位放射線治療、組織内照射などの多くの選択肢の中から患者さんのニーズにあわせてより良い治療方法を選択して頂きます。