ATLASプロジェクト研究統括 米盛 勧

ATLASプロジェクト研究部門長 米盛 勧
医学・医療における課題は、最先端の科学という面で全世界共通のテーマである一方、地域や国によって直面している課題は多様です。また、医薬品の開発、つまり治療に直結する臨床研究や臨床試験の実施件数においては、米国や欧州はアジアに比べて規模や数も多いため、アジアの医学・医療におけるプレゼンスは、人口が多い・経済規模が発展しているにも関わらず、未だ相対的に低い印象です。
ATLASプロジェクトでは、アジアにおけるがん領域の臨床研究、特に診療や治療開発に関わる臨床研究や臨床試験を行っていく国際的なプラットフォームを構築することを目標としています。ATLASプロジェクトにより、各国をリードするがん診療・研究施設が中核となり、自施設や各国内の研究の質を高め、研究ネットワークを構築し、効果的・効率的な臨床研究や臨床試験を国際展開できると考えています。
ATLASプロジェクトにより整ったプラットフォームを、世界各国のアカデミア・企業等が利用して、アジアを舞台にしたがん領域の臨床研究・臨床試験が大きく進むと考えています。アジアのアジアによるアジアのためのがん研究の成果は、将来、アジアの医学や医療の発展に資すると期待しております。