検診受診者・患者・医療者の皆様へ
なぜProject CADをアジアで行うのか?
- Qアジアと共同研究することの意義とは?
- A大腸がん検診は世界的な重要課題であることから、多国間の国際共同で試験を行うことが望ましいと考えられます。中でも民族の類似性や、実現可能性からアジア多国間で試験を行うことのメリットが大きいです。
- Qアジアの中でも、日本、韓国、台湾、シンガポール、香港、タイが参加する理由は?
- Aこれらの国・地域で実際に大腸がん検診や検診における大腸内視鏡検査が行われていること、さらにはアジアにおける大腸がん検診の指針作りを行ってきた国・地域であることによります。
試験に用いられる医療機器について
- QCADeって何?
- ACADeは、Computer-Aided Detection,コンピュータ検出支援を指します。人工知能(AI)を活用したソフトウェアで、内視鏡検査時に、大腸ポリープや大腸癌などの病変の存在と位置を内視鏡モニター上にリアルタイムに表示することで、術者が病変を発見する支援を行います。
- Q通常の内視鏡と何が違うの?
- A本試験で用いられるCADeは、薬事承認を得て製造販売されている医療機器です。CADeは、通常の診療で使用される内視鏡装置・スコープから得られた画像に、大腸ポリープや大腸癌などの病変の存在を示す印を内視鏡モニター上に表示することで、内視鏡検査を行う医師の支援を行います。そのため、用いられる内視鏡装置自体はすべて通常の診療で使用しているものと同じであり、特殊な内視鏡を使用することもありません。あくまで、内視鏡検査を行う医師に対する支援を行うものです。
- Qこの試験に参加する場合、大腸内視鏡検査においてCADeが使用されるかどうかはどのように決まるの?
- A試験参加者は、「CADeを用いる大腸内視鏡検査(CADeグループ)」あるいは「CADeを用いない大腸内視鏡検査(従来法グループ)」のいずれかの大腸内視鏡検査を受けて頂くことになります。どちらの検査法になるかは、「無作為化割付」という方法により、2分の1の確率で「CADeグループ」と「従来法グループ」のいずれかのグループに決定されます。どちらの検査法になっても不利益のリスクが最小限になるよう、日常診療において大腸がん検診受診者に対して大腸内視鏡検査を実施している医師が、本試験でも大腸内視鏡検査を担当します。
本試験の意義について
- Q本試験の意義は?
- A本試験により、CADe使用大腸内視鏡検査の有効性が証明されれば、CADe使用が大腸がん検診における大腸内視鏡検査の新たなスタンダードとなり、アジアの大腸がん検診における大腸内視鏡検査の質が向上し、大腸がん検診そのものの質の向上につながることが期待されます。